ミニチュア・ピンシャーとはどんな犬種?歴史やサイズ、しつけ方などを解説
ミニピンの愛称で知られている小型犬、ミニチュア・ピンシャー。ドーベルマンのような凛々しい外見が特徴で、自分より体の大きな犬に対して果敢に向かっていく活発的な性格です。
また、ときには飼い主にべったり甘える一面をもち、勇ましさと可愛らしさを兼ね備えた性格で飼い犬として人気を集めています。
本記事では、そんなミニチュア・ピンシャーの歴史やサイズ、しつけ方、気をつけたい病気・ケガなどをご紹介します。
- ミニチュア・ピンシャー(ミニピン)とはどんな犬種?
- ミニチュア・ピンシャーの特徴とは?
- ミニチュア・ピンシャーの性格は?
- ミニチュア・ピンシャーの日常のお世話のポイント
- ミニチュア・ピンシャーの気をつけたい病気・ケガ
- 愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう
- まとめ
ミニチュア・ピンシャー(ミニピン)とはどんな犬種?
ミニチュア・ピンシャーは、ドイツを原産とする小型犬です。「ピンシャー」とは、ドイツ語で犬種を意味し、見た目が小さな鹿に似ていることから、ドイツ語で鹿を意味する「レイ」を掛け合わせ、「レイピンシャー」とも呼ばれています。
外見は、同じ原産国で大型犬のドーベルマンと似たような印象を受けますが、実はドーベルマンより200年以上も長い歴史を持ちます。では、ミニチュア・ピンシャーはどのようにして誕生したのでしょうか。ここではミニチュア・ピンシャーの歴史・起源について解説します。
ミニチュア・ピンシャーの歴史・起源
ミニチュア・ピンシャーは、200〜300年前にドイツや北欧の国々で小害獣駆除を目的として飼育されていた中型犬、ヘル・ピンシェルを小型に改良した犬種といわれています。そのヘル・ピンシェルに、ジャーマン・ピンシャーやダックスフンド、イタリアングレーハウンド、さらにはミニチュアシュナウザーやトイ・マンチェスターテリアなどとの交配を重ねて、19世紀頃に現在のミニチュア・ピンシャーが誕生したとされています。
1895年になるとドイツでミニチュア・ピンシャーの犬種クラブが設立され、1925年には1300頭ほどの血統書登録がされました。
その後、1929年にアメリカでもドイツと同様にクラブが設立され、飛躍的に人気が上昇しました。
また、20世紀ごろまではミニチュア・ピンシャーは、多くの国で断尾や断耳の習慣がありましたが、20世紀後半以降は動物愛護の観点で、断尾や断耳を禁止する国が増えています。
ミニチュア・ピンシャーの特徴とは?
真っ直ぐで細長い四肢を持ち、筋肉質でスタイリッシュな体型が特徴的なミニチュア・ピンシャー。小鹿のようなその体つきのほかにも、さまざまな外見的特徴があります。ここでは、サイズと被毛・毛色の特徴についてご紹介します。
サイズの特徴
ミニチュア・ピンシャーは、体高25〜30cm、体重4〜6kgが理想とされています。体高と体長がほぼ同じで、横から見るとスクエア型の体格が特徴的です。
被毛・毛色の特徴
ミニチュア・ピンシャーの被毛は、チワワやブルドッグ、ミニチュアダックスフンドと同じような、短く真直な毛質を持ちます。下毛のないシングルコートの犬種ですが、ミニチュア・ピンシャーは他のシングルコートの犬と比べ、比較的抜け毛が多いとされています。
毛色は、大きく単色とバイカラー(2色)に分けられます。単色は、ディアー・レッド(赤っぽい茶色)、レディッシュ・ブラウン(赤みがかった茶色)、ダーク・レッド・ブラウン(焦げ茶色)があります。バイカラーは、ブラック&タン(黒×黄褐色)、チョコレート&タン(濃い茶色×黄褐色)が主流です。
ミニチュア・ピンシャーの性格は?
ミニチュア・ピンシャーは、エネルギッシュで活発的な性格です。遊びや運動を好み、「脱走の芸術家」という異名を持つほど、俊敏性に優れています。
その一方で、自分より体の大きな犬や人にも果敢に攻めていく、勇猛果敢で縄張り意識が強い一面をもちます。アメリカでは、その性質を利用し、番犬としての飼育が主流だった時代があります。ちょっとした物音や小さな変化に対して敏感に反応し、その反射神経の高さは、ときには強い攻撃行動に変わり、相手を傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、子犬のときから「生き物を強く噛んではいけない」ということをしっかり学習させておくことが大切です。
ミニチュア・ピンシャーの日常のお世話のポイント
愛犬とより長く大切に時間を過ごすためには、ミニチュア・ピンシャーの身体的特徴や性格に適応したお世話がポイントです。ここでは、1:お手入れ方法、2:暑さ・寒さ対策、3:運動量の3つの観点からご紹介します。
1:お手入れ方法
前述したように、ミニチュア・ピンシャーは下毛のないシングルコートの犬種ですが、他のシングルコートの犬種と比べ、比較的抜け毛が多い犬種です。そこでポイントとなるのがブラッシング。週に1〜2回が理想とされています。短毛のため、ラバーブラシなどの皮膚を傷つける心配の少ない柔らかいブラシでブラッシングすると良いでしょう。ブラッシングした後は、濡れタオルなどで軽く拭いてあげると、ミニチュア・ピンシャー特有の被毛の美しい光沢感を保つことに繋がります。また、シャンプーは皮膚病予防のために、1〜2ヵ月に1度程度が好ましいといわれています。
2:暑さ・寒さ対策
引き締まった体型が特徴的なミニチュア・ピンシャーは、筋肉質で皮下脂肪が少ないことが特徴です。そのため、寒さに弱く、冬のお散歩では、洋服を着せるなどの寒さ対策がポイントです。
3:運動量
前述したように、ミニチュア・ピンシャーは運動を好む性質があります。そのため、運動不足はストレスの原因に繋がります。散歩は、1日2回、1回30分以上が理想とされています。屋内でも、ボール遊びなど、十分に運動できる環境を整えておくことがポイントです。
ミニチュア・ピンシャーの気をつけたい病気・ケガ
ミニチュア・ピンシャーの気をつけたい病気・ケガとして主に以下の3つが挙げられます。
- 耳介辺縁皮膚症
- 鼠径(そけい)ヘルニア
- 大腿骨頭無菌性壊死(レッグ・ペルテス)
耳介辺縁皮膚症は、耳の先端や辺縁でみられる、フケを伴う脱毛症です。原因は明らかになっていませんが、ダックスフンドに好発する傾向があることから遺伝的関与が考えられています。その血統を受けるミニチュア・ピンシャーも注意しておきたい病気の1つです。
鼠径(そけい)ヘルニアは、先天性もしくは事故など後天的な要因によって、鼠径部(足の付け根)から膀胱や前立腺、子宮などの臓器や脂肪組織が飛び出てしまう病気です。場合によっては元に戻すための手術が必要になります。犬に珍しい病気ではなく、どの年齢、犬種にも起こりうる病気ですが、ミニチュア・ピンシャーは、先天性として発症するケースがよく見られるので注意が必要です。
大腿骨頭無菌性壊死(レッグ・ペルテス)は、成長期に大腿骨頭の血流が悪くなり壊死してしまう病気です。1歳未満の小型犬に多く、骨が変形して関節炎を起こします。症状が進むと普通に歩行できないほどの痛みを伴い、手術が必要となる場合もあります。
ミニチュア・ピンシャーの寿命はどれくらい?
小型犬の平均寿命は、一般的に12〜15歳といわれています。そのなかで、ミニチュア・ピンシャーの寿命は、12〜14歳とされているので、平均的な長さといえるでしょう。
愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう
あなたの愛犬をより長く大切に育てるために、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
いぬとねこの保険 保険料例
※ネクストとライトは、50%プラン・月払・インターネット割引・免責額適用特約セットの場合。ミニは70%プランのみ。インターネット割引は継続時には適用されません
まとめ
ほかの小型犬ではあまり見ない勇ましさと、ときには飼い主に甘えるかわいらしさを兼ね備えるミニチュア・ピンシャー。その性格だけでなく、お手入れの簡単さから飼い犬として人気を集めています。
そこで気をつけたいのが、やはり病気やケガ。ミニチュア・ピンシャーだからこそ気をつけたい病気も少なくありません。もしものときに安心して治療を受けさせるために、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょう。
犬種分類表
小型犬
- アーフェンピンシャー
- イタリアン・グレーハウンド
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- ケアーン・テリア
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- ア行
- カ行
- サ行
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チベタン・スパニエル
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チワワ
- 狆
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- 日本テリア
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
- パグ
- パピヨン
- ビション・フリーゼ
- プチ・バラバンソン
- ブリュッセル・グリフォン
- ペキニーズ
- ボーダー・テリア
- ポメラニアン
- ボロニーズ
- タ行
- ナ行
- ハ行
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ヨークシャー・テリア
- ラサ・アプソ
- レークランド・テリア
- ワイヤー・フォックス・テリア
- マ行
- ヤ行
- ラ行
- ワ行
中型犬
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- ア行
- 甲斐犬
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州犬
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コリア・ジンドー・ドッグ
- サモエド
- サルーキ
- シェットランド・シープドッグ
- 四国犬
- 柴犬(小柴・豆柴を含む)
- シャー・ペイ
- ジャーマン・ポインター
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- チベタン・テリア
- チャウ・チャウ
- カ行
- サ行
- タ行
- 日本スピッツ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- ブリタニー・スパニエル
- ブル・テリア
- フレンチ・ブルドッグ
- ベドリントン・テリア
- ボーダー・コリー
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボストン・テリア
- 北海道犬
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・ブル・テリア
- ナ行
- ハ行
- マ行
大型犬
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田犬
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アラスカン・マラミュート
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- ラフ・コリー
- ア行
- カ行
- シベリアン・ハスキー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャイアント・シュナウザー
- セント・バーナード
- ダルメシアン
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・マスティフ
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐犬
- ナポリタン・マスティフ
- ニューファンドランド
- サ行
- タ行
- ナ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ハリア
- ブービエ・デ・フランダース
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボクサー
- ボルゾイ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
- マスティフ
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラブラドール・レトリーバー
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
- ワイマラナー
- ハ行
- マ行
- ラ行
- ワ行
ミックス犬
- 両親の犬種が分かっている場合(上記表内に対象の犬種がある場合)、いずれか大きい型に分類します。
- 両親の犬種が不明の場合・両親のいずれかが不明の場合は、下記表のとおり分類します。
種類 |
生後8ヶ月未満 |
生後8ヶ月以上 |
||||
体重 |
6kg未満 |
6〜20kg未満 |
20kg以上 |
10kg未満 |
10〜20kg未満 |
20kg以上 |
分類 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
犬の知識コラム
- 犬の年齢は人間に例えると何歳?平均寿命や長寿のためにできることも紹介
- 子犬がご飯を食べない9つの原因と対処法を徹底解説!
- 犬の爪切りの必要性、手順やコツ、注意点などを徹底解説!
- 犬のトイレのしつけ方を紹介 トイレトレーニングの失敗の原因やコツを解説
- 犬の基本のしつけ方 最低限必要な事やしつけのポイント・注意点を解説
- 愛犬の下痢の原因は?危険な症状や病院に行く判断基準、対処法を解説
- 【獣医師解説】犬の予防接種の必要性とは?狂犬病・混合ワクチンなどの種類や費用相場を解説
- 犬のマダニを徹底解説!症状や対処法・予防対策をご紹介
- 【獣医師解説】犬が血尿をした時の原因は?病気や治療法・予防方法を解説
- 【獣医師解説】犬の熱中症の症状は?注意すべき症状や応急処置・対処法を解説
- 【獣医師解説】犬に玉ねぎは危険なの?食べたときの症状や対処法・応急処置を解説
- 犬の歯石取りをするには?治療費用や予防法など、お手入れのポイントを解説
- 犬が吐く原因と危険度を徹底解説!嘔吐と吐出の違いや考えられる病気も紹介
- 犬のフケの原因とは?病気の可能性はある?治療法や予防・対処法などを徹底解説!
- 犬のアレルギーとは?症状から原因、治療法、対策まで獣医師が徹底解説
- 犬がくしゃみをする原因は?症状や考えられる病気、対処法を解説!
- 犬の咳の原因とは?病院に行くべき症状や病気の可能性、治療法などを解説!|犬の保険
- 犬の健康診断は何歳から?タイミング・頻度や検査内容・費用の目安などを徹底解説!
- 犬の耳が臭い...原因や考えられる病気、対処・予防方法などを解説!|犬の保険
- 犬の心臓弁膜症とはどんな病気?症状や原因、診断~治療法まで徹底解説!|犬の保険
- 犬の耳血腫の症状とは?原因や治療法・治療費の目安、予防法などを徹底解説
- 犬の涙やけとは?原因や病院に行ったほうがいい症状、対策・予防方法などを徹底解説|犬の保険
- 犬の核硬化症とは?症状や原因、検査~治療法・予防方法まで徹底解説
- 犬・猫のマイクロチップ制度とは?義務化の内容やメリット・デメリット、費用を紹介
- 犬の平均寿命は何歳?最高齢ギネス記録や長生きするためのコツを紹介
- ペット保険のデメリット・メリットを徹底解説!必要性や選び方も
- ペット保険でよくあるトラブルとは?事例や注意点などを徹底解説
- 入ってはいけないペット保険の特徴とは?選び方や見分けるポイントなどを徹底解説
- ペット保険に入ると後悔する?体験談や後悔しないためのポイントを徹底解説!|犬・猫の保険
- ペット保険はいらないって本当?自己負担額の目安や必要な人の特徴を徹底解説!|犬・猫の保険
- 飼い方
- しつけ・育て方
- 健康・病気
- 豆知識