ボルゾイとはどんな犬種?歴史や性格などの特徴、飼い方などを解説|犬の保険
ボルゾイは、大きな体と長い四肢、細長くて小さい顔が特徴的な犬種です。時速50kmもの速さで走れるほどの身体能力を持ち、その俊敏さと高貴な見た目で、古くから人々を魅了してきました。今回は、そんなボルゾイの特徴や飼い方のポイント、気を付けたい病気などを解説します。
ボルゾイとはどんな犬種?
ボルゾイは、スリムで引き締まった流線型の体格と、長いマズル、小さな顔とスラリとした四肢が特徴的な犬種です。ボルゾイがスタスタと歩く姿は存在感があり、気品に満ち溢れています。
ボルゾイの基本情報は、以下のとおりです。
英語表記 | Borzoi |
原産国 | ロシア |
サイズ | 大型犬 |
グループ | 10G 視覚ハウンド |
平均寿命 | 7〜13歳 |
ボルゾイの歴史について
ボルゾイはロシア原産の猟犬です。サイトハウンドとロシアに生息していた猟犬がかけ合わさって生まれたとされています。
13世紀頃には、野ウサギや小動物を追いかける猟犬として活躍していました。現在ほどサイズは大きくなかったとされています。
15〜16世紀頃、オオカミ狩りが盛んになり、ボルゾイも大型の獲物を狙えるよう改良が進みました。ロシアン・シープドッグなどとの交配が進み、現在のボルゾイになったようです。
オオカミ狩りでも、ボルゾイは活躍しました。オオカミを追いかけるだけでなく、オオカミに襲いかかることもあり、その勇敢さや身体能力の高さが伺えます。やがて、ボルゾイは「ロシアン・ウルフハウンド」と呼ばれるようになり、貴族のみが飼育できる特別な犬になりました。
しかし、ロシア革命の混乱によって殺され、数が減ってしまいます。
その後、イギリスやアメリカで交配が進みました。実は、ボルゾイは国交を深める手段としても利用されており、イギリスやアメリカの貴族にもボルゾイが贈られていたのです。その末裔たちによって交配が進み、ボルゾイは絶滅を免れました。
そして、1892年にはアメリカ、1914年にはイギリスのケネルクラブで登録されます。当時は「ロシア・ウルフハウンド」として登録されていましたが、1936年に「ボルゾイ」と改められました。
ボルゾイはどれくらいの大きさになるの?
ボルゾイは、成長すると非常に大きくなります。サイズの目安は以下のとおりです。
- 体高:オスが約75~85cm、メスが約8~78cm
- 体重:オスが38〜48kg、メスが35〜45kg
立ち上がると2mになる個体も存在し、大人の男性に匹敵する大きさであることがわかります。
ボルゾイの特徴は?
日本ではあまり見かけないボルゾイですが、どのような特徴があるのでしょうか。見た目や被毛、性格の特徴について解説します。
ボルゾイの顔・骨格の特徴
ボルゾイは、マズルが細長く、体の大きさに対して顔が非常に小さいのが特徴です。
体が全体的に細長く、流線形の骨格をしています。筋肉質で引き締まっており、抜群のスタイルの良さと豊かな被毛が相まって、歩くだけで目を惹くほど優雅な見た目が魅力です。
ボルゾイの被毛・毛色の特徴
ボルゾイは長毛のダブルコートで、被毛は柔らかい手触りです。前足と胸、しっぽには飾り毛があります。被毛はウェーブがかっている、あるいは巻き毛なのが特徴です。
毛色には、ホワイトやブラックのほか、レモンやゴールド、シルバー、レッドなど、さまざまな種類があります。ブルーとチョコレート以外、すべての色の組み合わせが認められており、トライカラーの個体も存在します。なお、大理石のようなまだら模様が特徴的なマールカラーは公認されていません。日本ではホワイト系が人気です。
ボルゾイの性格の特徴
ボルゾイは、優しく穏やかな性格の持ち主です。飼い主に従順で、家では飼い主のそばで比較的静かに過ごします。そのため、大型犬ではあるものの、飼いやすい犬種とされているのが特徴です。
また、観察力に優れており、感受性が高くて神経質な一面もあります。見た目は大きいですが、精神的に強いわけではないため、ストレスを与えないことが大切です。
一方、サイトハウンドの気質を持つため、外で興奮してしまうこともあります。子どもやほかの犬、小動物などを見て興奮し、制御できなくなる可能性もあるため、子犬の頃からしつけを行いましょう。
ボルゾイの飼い方のポイント
ボルゾイは穏やかで飼いやすい犬種ですが、運動量を積極的に確保でき、しつけを徹底して行える方でないと難しいでしょう。ここでは、ボルゾイの飼い方のポイントを紹介します。
1:散歩
ボルゾイは身体能力が非常に高く、運動量も多いです。そのため、毎日1〜2時間以上は散歩に連れて行きましょう。運動量が少ないと、ストレスが溜まって問題行動に発展します。
散歩の際は、暴れてまわりに危害を加えないよう注意が必要です。ボルゾイは、時速50kmもの速さで走れる犬であり、1mほどの高さであればなんなく飛び越えてしまいます。外で興奮して飛びかかったり、まわりの人を怖がらせたりしないよう、細心の注意を払いましょう。
また、夏場の散歩では熱中症に注意が必要です。ボルゾイは暑さに弱いため、暑い時間帯での散歩は避け、水分補給を心がけてください。
2:ブラッシング
ボルゾイは長毛のダブルコートであるため、こまめなブラッシングが欠かせません。特に、換毛期には抜け毛が大量に発生するため、毎日のブラッシングで余分な毛を除去しましょう。スリッカーブラシとコームを使うのがおすすめです。
皮膚を傷つけないよう、優しくブラッシングしてください。
シャンプーは、月に1〜2回程度で問題ありません。シャンプー前にブラッシングして、抜け毛や毛玉を取り除きましょう。
3:しつけ
ボルゾイは賢く飼い主に従順であるため、しつけも比較的すぐに覚えてくれます。神経質な傾向にあり、プライドも高いため、褒めてしつけるのが効果的です。ご褒美としておもちゃを用意すると、喜んで訓練してくれます。
しかし、飼い主としてなめられると、言うことを聞かなくなってしまいます。子犬の頃からしっかりとしつけを行い、飼い主としてリーダーシップを発揮することが大切です。
ボルゾイの気を付けたい病気はある?
ボルゾイは、以下の病気にかかりやすい犬種です。
- 外耳炎
- 熱中症
- 網膜形成不全
- 進行性網膜萎縮症
- 白内障
- 甲状腺機能低下症
- 胃拡張(胃拡張胃捻転)
- 股関節形成不全
ボルゾイは垂れ耳であり、外耳炎になりやすい傾向にあります。耳のニオイが気になったり、耳を頻繁にかく様子が見られたら、外耳炎を疑いましょう。
また、目の病気にかかりやすく、遺伝的に網膜形成不全や進行性網膜萎縮症、白内障の好発種とされています。
大型犬に起こりやすい病気としては、以下の3つが挙げられます。
甲状腺機能低下症 | 甲状腺ホルモンが欠乏し、新陳代謝が低下してしまう病気 |
胃拡張・胃捻転症候群 | 胃が膨らんで捻れてしまい、ショック状態に陥ってしまう病気 |
股関節股関節形成不全 | 股関節周辺の骨の成長が噛み合わず、関節に炎症が起こる病気 |
愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう
ボルゾイは、上記のようにさまざまな病気に注意しなければなりません。ボルゾイと長く一緒に過ごすためには、万が一の病気や怪我の事態に備えられるよう、ペット保険に加入しましょう。
いぬとねこの保険 保険料例
※ネクストとライトは、50%プラン・月払・インターネット割引・免責額適用特約セットの場合。ミニは70%プランのみ。インターネット割引は継続時には適用されません
まとめ
ボルゾイは、大型犬ですが比較的大人しく、飼いやすい犬種です。子犬の頃からしつけを徹底することで、飼い主に寄り添う理想のパートナーになるでしょう。
ボルゾイを飼育する際は、思いきり体を動かせる環境を用意したり、美しい被毛を保てるようこまめにお手入れしたりすることが欠かせません。また、かかりやすい病気も複数存在するため、少しでも異変を感じたら動物病院を受診しましょう。万が一の事態に備えられるよう、ペット保険に加入すると安心です。
犬種分類表
小型犬
- アーフェンピンシャー
- イタリアン・グレーハウンド
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- ケアーン・テリア
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- ア行
- カ行
- サ行
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チベタン・スパニエル
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チワワ
- 狆
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- 日本テリア
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
- パグ
- パピヨン
- ビション・フリーゼ
- プチ・バラバンソン
- ブリュッセル・グリフォン
- ペキニーズ
- ボーダー・テリア
- ポメラニアン
- ボロニーズ
- タ行
- ナ行
- ハ行
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ヨークシャー・テリア
- ラサ・アプソ
- レークランド・テリア
- ワイヤー・フォックス・テリア
- マ行
- ヤ行
- ラ行
- ワ行
中型犬
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- ア行
- 甲斐犬
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州犬
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コリア・ジンドー・ドッグ
- サモエド
- サルーキ
- シェットランド・シープドッグ
- 四国犬
- 柴犬(小柴・豆柴を含む)
- シャー・ペイ
- ジャーマン・ポインター
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- チベタン・テリア
- チャウ・チャウ
- カ行
- サ行
- タ行
- 日本スピッツ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- ブリタニー・スパニエル
- ブル・テリア
- フレンチ・ブルドッグ
- ベドリントン・テリア
- ボーダー・コリー
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボストン・テリア
- 北海道犬
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・ブル・テリア
- ナ行
- ハ行
- マ行
大型犬
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田犬
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アラスカン・マラミュート
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- ラフ・コリー
- ア行
- カ行
- シベリアン・ハスキー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャイアント・シュナウザー
- セント・バーナード
- ダルメシアン
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・マスティフ
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐犬
- ナポリタン・マスティフ
- ニューファンドランド
- サ行
- タ行
- ナ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ハリア
- ブービエ・デ・フランダース
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボクサー
- ボルゾイ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
- マスティフ
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラブラドール・レトリーバー
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
- ワイマラナー
- ハ行
- マ行
- ラ行
- ワ行
ミックス犬
- 両親の犬種が分かっている場合(上記表内に対象の犬種がある場合)、いずれか大きい型に分類します。
- 両親の犬種が不明の場合・両親のいずれかが不明の場合は、下記表のとおり分類します。
種類 |
生後8ヶ月未満 |
生後8ヶ月以上 |
||||
体重 |
6kg未満 |
6〜20kg未満 |
20kg以上 |
10kg未満 |
10〜20kg未満 |
20kg以上 |
分類 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
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