セント・バーナードとはどんな犬種?性格やしつけ方、気を付けたい病気など
人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」に登場する犬「ヨーゼフ」のモデルになったことで、一躍有名になったセント・バーナード。しかし、日本で見かける機会は少ない犬種なので、性格や飼い方など、どのような犬種なのかご存知の方はあまり多くないのではないでしょうか。
そこで今回は、セント・バーナードの性格やしつけ方、気をつけたい病気などを紹介していきます。
- セント・バーナードとはどんな犬種?
- セント・バーナードの特徴は?
- セント・バーナードの性格は?
- セント・バーナードの飼い方のポイント
- セント・バーナードの気を付けたい病気一覧
- 愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう
- まとめ
セント・バーナードとはどんな犬種?
英語表記 | Saint Bernard |
原産国 | スイス |
サイズ | 大型犬 |
グループ | 2G(使役犬:番犬、警護、作業をする犬) |
平均寿命 | 8〜10歳 |
スイス原産のセント・バーナードは、そのがっちりとした大きな体格を活かし、古くから救助犬や護衛犬として活躍していました。大型犬の中でも大きい部類で、体高が体長より長く、体重は時に100kgを越えることもあります。
また、大型犬の平均寿命は10〜12歳とされていますが、セント・バーナードの平均寿命は8〜10歳と、やや短命です。
セント・バーナードの歴史について
セント・バーナードの起源は、スイスとイタリアの国境にあるアルプス山脈の峠「グラン・サン・ベルナール」の宿坊で、番犬として飼われていた大型のマウンテン・ドッグです。
17世紀ごろから雪山で遭難したり、ケガをした人を捜索し、救助する役割を担うようになりました。中でも有名なのが救助犬「バリー」。今から200年ほど前のグラン・サン・ベルナール峠で40人もの旅人の命を救ったといわれています。
そして19世紀ごろには、アルプスの救助犬としての名声が世界中に広まり、1860年代には各国のブリーダーにより育種が行われるようになりました。
その後、何世代かの改良を経て、1884年にスイスの犬種として公認されました。従来は、「ホスピス犬」「バリー犬」などと呼ばれていましたが、このときに「セント・バーナード」と名付けられました。
セント・バーナードの特徴は?
セント・バーナードは、がっちりとした体格と大きな頭蓋骨を持ち、雪国出身ならではの深い被毛が特徴的です。ここでは、サイズや被毛・毛色の特徴について、より詳しくご紹介していきます。
サイズの特徴
大型犬のなかでも超大型に分類されるセント・バーナード。日本で血統書を発行する機関であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、体高は、オス70cm〜90cm、メス65cm〜80cmと規定しています。また、体重の規定はありませんが、50〜90kg程度とされており、100kgを超える個体もあります。
なお、過去最大の個体は、1970年にアメリカのミシガン州で誕生した「ベネディクティン・シュヴァルツヴァルト」号。体高は99cm、体重は138kgに達したとされています。
被毛・毛色の特徴
セント・バーナードは、ショートへアードとロングヘアードの2つのタイプに分かれます。実は、雪山で救助犬として活躍していた時代は、ショートへアードのみでしたが、ブリーディングの過程で長毛の犬種を混ぜたことから、ロングヘアードタイプが作出されるようになりました。どちらも被毛の密度は高く、足と尻尾に飾り毛があります。
毛色は、白地に赤味または黄味がかったブラウンのまだら模様や、ブランケット(胴体を覆うような大きな模様)がみられます。
セント・バーナードの性格は?
セント・バーナードは、救助犬として活躍していた史実からも容易に想像ができるとおり、責任感が強く、判断力に優れています。飼い主に従順で我慢強い性格のため、使役犬として非常に優れた犬種です。
また、大きくがっちりとした体格から受ける印象とは対照的に、温厚でのんびりとした性格をしています。しかし、警戒心は強く、時には他の犬や人に対して攻撃的になることがあるので、注意が必要です。
セント・バーナードの飼い方のポイント
温厚で優しい性格のセント・バーナードですが、大型犬で力が強いため、子犬のときからのしっかりとしたしつけは大切です。ここでは、セント・バーナードの飼い方のポイントを4つの事項に絞って紹介していきます。
1:飼育環境
セント・バーナードは寒い国の犬で、暑さには弱いため、高温多湿の日本では空調管理のできる屋内での飼育が勧められます。また、大型犬の中でも大きい方に分類されるため、前提として、家屋の広さを十分に確保しなければなりません。
2:しつけ
セント・バーナードは、訓練性能に優れており、比較的しつけしやすい犬種とされています。ただ、前述したとおり警戒心が強く、時には攻撃的な姿を見せることもあるので、社会性を身につけさせることが非常に重要です。
社会性を身につけさせるには、生後13週目くらいまでが大切といわれており、例えばドッグランで他の犬や人と触れ合う機会を多く作ってみると良いでしょう。
3:ブラッシング・お手入れ
セント・バーナードの2つの被毛タイプ、ショートヘアード、ロングヘアードともに下毛のあるダブルコートなので、週に2〜3回程度の定期的なブラッシングは欠かせません。硬めの獣毛ブラシでのブラッシングがおすすめです。特に春先や夏場は、放熱を妨げる下毛はなるべく取り、通気性をしっかり確保することが重要です。
また、口が垂れており、よだれの量が多いので、頻繁に口のまわりを丁寧に拭いてあげましょう。
4:運動量
体が大きいので、十分な運動量が必要です。毎日最低でも1時間程度の散歩が理想とされています。お散歩だけでなく、ドッグランなどで自由運動をさせることも効果的です。なお、大型犬で体重が重いので、足腰の負担にならないよう、あまり硬すぎない土の上などでの運動が好ましいとされています。
セント・バーナードの気を付けたい病気一覧
セント・バーナードの気をつけたい病気・ケガとして主に以下の3つが挙げられます。
- 股関節形成不全
- 軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)
- 外耳炎
股関節形成不全は、大型犬によく見られる病気で、体重が急激に増加することで関節に負荷がかかり、発症するケースがあります。特に、体重が重いセント・バーナードは、注意しておきたい病気の1つです。横座りになったり、歩行中頭を下げるなどの症状が現れ、進行すると歩行困難になり、手術が必要となる場合があります。
軟口蓋過長は、口腔内の天井部から後方にのびた柔らかい部分「軟口蓋」が通常よりも長いことで、呼吸が妨げられておこる疾患です。努力性呼吸や開口呼吸を示したり、大きないびきがみられたりすることもあります。症状が悪化した場合、チアノーゼや呼吸困難、失神など、命に関わるケースもでてくるため注意が必要です。
外耳炎は、垂れ耳の犬種に好発傾向にある病気です。特にセント・バーナードは垂れ耳のうえ、被毛の密度が高いため耳の中が非常に蒸れやすく、発症するリスクが高いとされています。
愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう
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まとめ
今回はセント・バーナードの特徴やかかりやすい病気・ケガ、飼い方のコツ・注意点などを解説しました。日本では飼い犬として見る機会は少ないものの、スイスの救助犬として活躍していた過去からもうかがえる責任感の強さと優しさは、世界的に多くの人気を集める理由の1つです。あなたのセント・バーナードとより長く、大切な時間を過ごせるようにペット保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
犬種分類表
小型犬
- アーフェンピンシャー
- イタリアン・グレーハウンド
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- ケアーン・テリア
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- ア行
- カ行
- サ行
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チベタン・スパニエル
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チワワ
- 狆
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- 日本テリア
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
- パグ
- パピヨン
- ビション・フリーゼ
- プチ・バラバンソン
- ブリュッセル・グリフォン
- ペキニーズ
- ボーダー・テリア
- ポメラニアン
- ボロニーズ
- タ行
- ナ行
- ハ行
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ヨークシャー・テリア
- ラサ・アプソ
- レークランド・テリア
- ワイヤー・フォックス・テリア
- マ行
- ヤ行
- ラ行
- ワ行
中型犬
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- ア行
- 甲斐犬
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州犬
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コリア・ジンドー・ドッグ
- サモエド
- サルーキ
- シェットランド・シープドッグ
- 四国犬
- 柴犬(小柴・豆柴を含む)
- シャー・ペイ
- ジャーマン・ポインター
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- チベタン・テリア
- チャウ・チャウ
- カ行
- サ行
- タ行
- 日本スピッツ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- ブリタニー・スパニエル
- ブル・テリア
- フレンチ・ブルドッグ
- ベドリントン・テリア
- ボーダー・コリー
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボストン・テリア
- 北海道犬
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・ブル・テリア
- ナ行
- ハ行
- マ行
大型犬
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田犬
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アラスカン・マラミュート
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- ラフ・コリー
- ア行
- カ行
- シベリアン・ハスキー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャイアント・シュナウザー
- セント・バーナード
- ダルメシアン
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・マスティフ
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐犬
- ナポリタン・マスティフ
- ニューファンドランド
- サ行
- タ行
- ナ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ハリア
- ブービエ・デ・フランダース
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボクサー
- ボルゾイ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
- マスティフ
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラブラドール・レトリーバー
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
- ワイマラナー
- ハ行
- マ行
- ラ行
- ワ行
ミックス犬
- 両親の犬種が分かっている場合(上記表内に対象の犬種がある場合)、いずれか大きい型に分類します。
- 両親の犬種が不明の場合・両親のいずれかが不明の場合は、下記表のとおり分類します。
種類 |
生後8ヶ月未満 |
生後8ヶ月以上 |
||||
体重 |
6kg未満 |
6〜20kg未満 |
20kg以上 |
10kg未満 |
10〜20kg未満 |
20kg以上 |
分類 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
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