猫の平均寿命は?ご長寿猫は何歳まで生きた?
近年、猫の長寿化は進み、平均寿命も伸びています。しかし、猫種や飼育環境によって寿命にも違いが出ることがわかっています。今回は猫の平均寿命や平均寿命の違い、愛猫に長生きしてもらうためにできることをご紹介します。
猫の年齢を人間に換算すると何歳?
猫の年をとるスピードは早く、猫種によって多少の違いはあるものの、生後1年〜1年半を過ぎたら、立派な大人=成猫になります。生後1ヶ月ですでに人間の「1歳」に相当し、生後2ヶ月では「3歳」、生後3ヶ月で「5歳」に相当します。1ヶ月で2歳くらい年をとると考えるとわかりやすいでしょう。そして、最初の1年目で人間の年齢の18歳まで成長し、2年目で24歳、3年目以降は1年に4歳のペースで歳を重ねていくといわれています。
猫の年齢を人間の年齢に換算する計算式は以下の記事をご覧ください。
猫 年齢
猫の平均寿命は?
2021年の一般社団法人ペットフード協会による【全国犬猫飼育実態調査】の結果では、猫全体の平均年齢は15.66歳となっており、15〜16歳が猫の平均寿命だといえます。
世界一長生きした猫は何歳まで生きたの?
猫は犬と比べると比較的長生きしやすい動物ではありますが、一体どのくらい長く生きられるのでしょうか。
ギネス記録に登録されている、世界最長寿の猫はアメリカの家庭で飼われていたクリーム・パフちゃんで、38歳3日(1967年〜2005年)という記録を残しています。これは、人間の年齢に換算すると、約170歳まで生きたことになります。
ここまで長寿にはなれなくても、愛猫に健やかに長生きしてもらうために、飼育環境や食事などに気を遣っていきたいですね。
《種類別》猫の平均寿命の違い
続いて、猫の種類別の平均寿命について解説していきます。
以下の表は、アニコム契約頭数上位10品種の猫について、品種別の平均寿命を比較したものです。(2017年度にアニコム損害保険株式会社が発表したデータ)
この表をみながら、猫種別の平均寿命の傾向を解説するとともに、飼育環境や性別によっても平均寿命は変わるのかどうかをみていきましょう。
【猫全体 14.2歳】
順位 | 品種 | 平均寿命(才) |
---|---|---|
1 | 日本猫 | 14.3 |
1 | 混合種 | 14.3 |
3 | ペルシャ(チンチラ) | 13.9 |
4 | アメリカン・ショートヘア | 13.5 |
4 | ラグドール | 13.5 |
6 | スコティッシュ・フォールド | 13.4 |
7 | ロシアンブルー | 13.1 |
8 | ノルウェージャン・フォレスト・キャット | 12.6 |
9 | メイン・クーン | 12.5 |
10 | マンチカン | 11.2 |
1:品種
この統計の猫全体の平均寿命が14.2歳なので、日本猫と混合種は平均より長寿な猫種といえます。また、近い数値であるペルシャやアメリカン・ショートヘア、ラグドールも比較的長寿な猫種であるといえるでしょう。
反対に、最も平均寿命が低い猫種はマンチカンとなっており、その次にメイン・クーンが低くなっています。スコティッシュ・フォールドやロシアンブルー、ノルウェージャン・フォレスト・キャットも比較的寿命が短い傾向となっています。
このように、純血種は、血統を守る過程の遺伝的な問題で、病気を発生しやすくなることから、混合種と比べて寿命が短い傾向があります。
2:純血種か雑種か
品種の項目でも記載したように、純血種と雑種では、雑種の方が長生きだと言われています。平均寿命1位の日本猫は、昔から日本に生息している雑種の猫のことです。つまり、長生きする猫種はともに雑種猫ということがわかります。雑種猫には純血種よりも遺伝子に多様性があるため、特定の遺伝子病にかかりづらいなどの理由が考えられます。
3:毛の長さ
個体差かもちろんありますが、長毛種よりも短毛種の方が長生きの傾向があります。
猫は日頃から毛づくろいによって大量の毛を飲み込んでいますが、大抵は排泄物と一緒に対外へ排出されます。しかし、長毛種の場合、短毛種と比べて毛量が多いため、体内でまとまった毛が固まりやすく、毛玉症になりやすい傾向があります。また、長毛種は日本のような高温多湿な気候が苦手で、熱中症になりやすいことも挙げられます。
長毛種を飼っている方は、夏はエアコンを付けっぱなしにするなど、気温調節に十分に注意を払ってください。
4:性別
性別によっても平均寿命に違いが生まれます。
2017年のアニコム調べによると、メス猫の平均寿命は14.8歳であるのに対し、オス猫の平均寿命は13.7歳となり、メス猫の方が長生きであることが、データとしてわかっています。
しかし、スウェーデンで行われた大規模調査では、性別による寿命の差はないという調査結果が出ており、オスとメスでどちらが長生きするのかは明確にはなっていません。
5:室内飼いか室外飼いか
一般社団法人ペットフード協会の「令和2年全国犬猫飼育実態調査」によると、完全室内飼育の猫の平均寿命は16.13歳、家の外に出る猫の平均寿命は13.57歳といわれています。
これは、完全室内飼育の場合、交通事故や野良猫とのケンカのリスクがないことが関係していると考えられます。
また、外に出る猫に比べると、「猫免疫不全ウィルス感染症」や「猫白血病ウィルス感染症」などの感染症にかかってしまう可能性が低いことも平均寿命が長い理由として挙げられます。
愛猫に長生きしてもらうためにできることは?
ここまでは、猫の平均寿命についてご紹介しました。愛猫と1日でも長く過ごすためには、子猫の時からちょっとしたことに気を遣って生活してあげましょう。育て方次第で、猫の寿命は大きく変わります。
ここからは、愛猫に長生きしてもらうために気をつけたい4つのポイントについてご紹介します。
1:食事関係
猫に長生きしてもらうために、食事は一番大切です。
食事や水分、運動量のバランスが崩れると、肥満や病気につながる危険性があります。
また、猫は肥満になりやすく、室内飼いの猫は40%が肥満または肥満予備軍といわれています。餌の与えすぎには注意し、バランスの良いフードを与えてください。
高齢になっても元気でいるためには、若い頃に良質なフードを食べて、しっかりと身体作りをしておくことが大切です。フードは「総合栄養食」と記載されたものを選び、動物性タンパク質がメインの無添加フードを選びましょう。
8歳以降のシニア期には、消化器官に負担の少ないフードを選んであげるようにしてください
2:運動関係
適度な運動を行うことも、長生きする秘訣です。運動不足は猫にとって肥満やストレスの原因となります。1日10分でもいいのでおもちゃで遊んであげたり、キャットタワーを設置するなどして、猫が運動しやすい環境を作ってあげましょう。
特に7歳以降のシニア期に入ると運動量がガクッと減ってしまい、太りやすくなってしまいます。肥満は糖尿病や、関節炎などの病気の原因になります。
体重管理のためにも、家の中でも運動量が確保できるようなスペースやおもちゃを用意してあげることは大切です。
3:住居環境の整備
少しでも長生きをしてもらうために、完全室内飼育を推奨します。前にも話したように、完全室内飼育にすることで、交通事故や病気にかかるリスクを減らすことができます。
家の外にはウイルスや寄生虫などの感染症になる原因もたくさんあるので、愛猫を守るためには室内飼いを徹底するようにしましょう。「犬は人に付き、猫は家に付く」と言われるように、猫は自身のホームに愛着を持つので、過ごしやすい室内環境を用意してあげると良いでしょう。
また、常に新鮮な水が飲めるような状態を用意してください。水の容器を複数用意し、部屋の所々に置いておくことを推奨します。室内飼いの猫が高齢になってくると、腎臓病のリスクが高まります。1回悪くなってしまった腎臓は戻りません。この腎臓病を予防するためには、愛猫の飲水量をコントロールすることが重要です。
水を飲む量が少ないと腎臓に負担がかかってしまうので、できるだけ水を飲む量を増やしてあげることが大切になります。水道水をお皿に注いだまま、何日も放置するようなことはないようにしてください。
4:病気への備え
猫をお迎えしたら、ワクチン接種は必ず受け、早いうちから年に1回の健康診断を受けておくことをおすすめします。健康診断を受けることで、病気の早期発見にもつながるだけでなく、猫が病院の診察に慣れることで、家での健康チェックが行いやすくなります。
7(8)歳以降のシニア期に入ってからは、半年に1回の健康診断を受けさせることがおすすめです。加えて、性別に関わらず、不妊手術は受けておいた方が安心です。不妊手術で防げる生殖器関連の病気があるからです。
また、愛猫が病気にかかったときのために、医療費を備えておくこともとても重要です。
"もしも"の時に備えておくことで、突然手術が必要になり、高額な費用がかかる場合でも、焦らず対応できるでしょう。
愛猫の病気への備えに「ペット保険」の検討を
猫の病気やケガは、予兆なくいきなりやってくることもあります。突然の手術で高額な医療費がかかる場合もあるでしょう。
そんな愛猫の"もしも"の時のために、ペット保険に入ることをおすすめします。高額になりがちなペットの診療費に備えることで、いざという時に十分な治療を受けさせることができます。
いぬとねこの保険 保険料例
※ネクストとライトは、50%プラン・月払・インターネット割引・免責額適用特約セットの場合。ミニは70%プランのみ。インターネット割引は継続時には適用されません
まとめ
今回は、猫の平均寿命や長生きしてもらうためのポイントについてご紹介しました。
猫は、犬と比べると比較的長生きしやすい動物ではありますが、飼育環境や食事などによって、寿命が大きく変わってきます。また、ペット保険に加入することで、もしもの時に安心して治療ができます。ペット保険にはさまざまなプランがあり、どれも補償内容が異なるので、愛猫がかかりやすい病気を理解し、必要性に応じたペット保険を選べるようにしましょう。