アメリカン・ショートヘアーの保険 | 性格・寿命・飼い方のコツなどを解説
アメリカン・ショートヘアーは大きな瞳と表情の豊さ、フレンドリーな性格から、現在日本では広くペットとして愛されているポピュラーな純血猫種です。アメリカン・ショートヘアーも他の猫種と同じように怪我や病気になることもあり、今後の医療費を考えペット保険を選ぶ際には、猫種ごとの性格・身体的特徴・かかりやすい病気などを把握しておくことが大切です。
- アメリカン・ショートヘアーの特徴
- アメリカン・ショートヘアーをお迎えする方法・準備は?
- 人気の理由
- 飼い方のコツ
- アメリカン・ショートヘアーの寿命
- アメリカン・ショートヘアーかかりやすい病気・ケガ
- アメリカン・ショートヘアーに必要な補償内容
- アメリカン・ショートヘアーのペット保険の選び方のポイント
- 年齢ごとの病気・ケガの注意点まとめ
アメリカン・ショートヘアーの特徴
アメリカン・ショートヘアーの歴史
アメリカン・ショートヘアーの前身は、約400年前のブリティッシュショートヘアーと言われています。イギリスの開拓民がアメリカ大陸へ航海する際、ネズミ退治のためにメイフワラー号に乗せられていました。アメリカ大陸上陸後、交配によって数を増やしていきます。1906年には「ドメスティック・ショートヘアー」という名前で品種登録されますが、当時はさまざまな品種との交配が進んでおり、雑種のイメージから人気は高くありませんでした。
その後、1950年代からブリーダーがペルシャ猫との交配を進め、現在のアメリカンショートヘアーの姿になります。1966年にはアメリカンショートヘアーと改名され、人気が高まっていきました。日本には1980年以降に入ってきたとされ、「アメショー」と呼ばれるなど愛されています。
アメリカン・ショートヘアーの基本的な性格
アメリカン・ショートヘアーは、もともとネズミや蛇などを捕るために飼育されていた猫です。愛らしい仕草や、人間に対しても優しい性格だったため、子供の遊び相手になることもでき、害獣駆除の役割から人間を癒すペットとして広く飼育されていくようになりました。
基本的な性格は、心優しくフレンドリーですが、ネズミ・蛇狩りを仕事としていたため、好奇心は非常に旺盛で、運動好きな活発な猫種です。
身体的特徴
もともと狩りをしていたため、体格はがっしりとしています。他の猫種とくらべると胴はやや短く手足は太く筋肉質です。
目安となる平均的な体重は雄(オス)で4~7kg、雌(メス)で3~6kgです。
また、顔にある黒いアイラインに縁取られた大きな瞳が、アメリカン・ショートヘアーの一番の特徴です。
被毛の色は、シルバー・クラシック・タビーと呼ばれる銀と黒のものが日本では有名です。
あまり知られていませんが、公認されている毛色は数十種類に及び、そのうちの数種類のみしか日本では見かけることはありません。
アメリカン・ショートヘアーをお迎えする方法・準備は?
ペットショップやブリーダーからお迎えする
アメリカン・ショートヘアは、ペットショップやブリーダーからお迎えできます。飼い猫として人気が高く、取り扱っているペットショップも多いです。ペットショップなら、何度も気軽に訪れやすく、必要なグッズも一緒に購入できます。
さまざまなアメリカン・ショートヘアから選びたい場合や、親猫や兄弟を直接見たい場合やは、ブリーダーからお迎えすることがおすすめです。アメリカン・ショートヘアが生まれた時から育てているブリーダーは、成長の様子やその子の特徴などを把握しています。また、親猫を見せてもらえれば、成長後の姿がイメージしやすいです。
飼育環境を整える
アメリカン・ショートヘアーのお迎えが決まったら、必要なグッズを準備しましょう。以下のようなグッズを揃える必要があります。
・食事用のグッズ:食器、給水器など
・就寝用のグッズ:猫用ベッド、ハウスなど
・トイレ用のグッズ:固まる猫砂トイレ、システムトイレなど
・運動用のグッズ:キャットタワー、おもちゃなど
・外出用のグッズ:キャリーバッグ
また、アメリカン・ショートヘアーが安全かつ快適に過ごせるよう、部屋の環境を整えることも大切です。アメリカン・ショートヘアーは、比較的環境に順応しやすいと言われています。しかし、室温管理や安全対策など、ストレスなく過ごせる環境づくりに努めることが大切です。猫が過ごしやすい室温に調整し、脱走や滑り止め、落下防止など、安全に遊べる体制を整えてください。
また、好奇心旺盛なアメリカン・ショートヘアーは、体を動かして遊ぶことを好みます。なるべく広い運動スペースを用意しましょう。
人気の理由
アメリカンショートヘアーは1980年代に日本に紹介されました。すでに日本には長毛の純血種はペルシャなどがいましたが、短毛で目が大きく、特徴的なシルバータビーが珍しくフレンドリーで飼育がしやすいため、人気になりました。
飼い方のコツ
比較的飼育がしやすいといわれるアメリカン・ショートヘアーですが、食事や運動、生活環境、日頃のケアなど、飼育に際して大切なポイントがいくつかあります。ここでは、アメリカン・ショートヘアーの飼い方のコツを「食事と運動」「環境」「ケア」の3つに分けて解説します。
食事と運動
アメリカン・ショートヘアーは、雄雌ともに一般的に太りやすい傾向にあり、他の猫と同じように避妊・去勢後はホルモンバランスの変化と運動量の低下から顕著に太りやすくなります。日頃から運動する習慣を付けたり、毎日遊ぶ時間を設け、運動不足にならないようにしましょう。
運動と併せて食事管理に関してもカロリーのコントロールをする必要があります。特に避妊・去勢した猫は肥満になりやすいため、食事管理には注意が必要です。
欲しがるままにご飯をあげてしまうと、大きく太ってしまいます。
太っても可愛らしい外見のため、太めの猫を好きな方もいますが、先々の健康を考えると、猫にとっても、飼い主の方にとってもおすすめできません。
環境
アメリカン・ショートヘアーは、好奇心旺盛で運動量が多い猫種といわれています。そのため、十分に運動できる広いスペースや上下運動ができるような高低差がある環境が好ましいとされています。また、遊ぶ時間を十分に確保してあげることも大切です。外出が多かったり長かったりと、愛猫と一緒にいる時間をあまり確保できない人には不向きといえます。
ケア
分厚い被毛を持つアメリカン・ショートヘアーは、日頃のブラッシングが重要です。下毛のある、いわゆるダブルコート種は、「換毛期」と呼ばれる生え変わりの時期があり、年に2回、春と秋に訪れます。ブラッシングは普段から丁寧におこないたいものですが、特に、この換毛期にはこまめにおこないましょう。ブラッシングは、毛球症の予防や猫とのコミュニケーションにも役立ちます。
アメリカン・ショートヘアーの寿命
アメリカン・ショートヘアーの平均寿命は12〜13歳です。猫の平均寿命は約14歳と言われているため、平均よりも少し短いことがわかります。アメリカン・ショートヘアと長く一緒に過ごすためには、アメリカン・ショートヘアがかかりやすい病気・ケガについて理解し、健康管理に注意することが大切です。
アメリカン・ショートヘアーのかかりやすい病気・ケガ
アメリカン・ショートヘアーは、基本的に体が強く健康で長生きをする猫種です。ただし、太りやすい体質のため、肥満が原因の糖尿病や体重増加による関節疾患にかかりやすい猫種といわれています。特に糖尿病は、一度罹患してしまうと、完治はしない病気ですので、体重管理には注意が必要です。
脂漏性皮膚炎
皮膚に強いかゆみやベタつき、フケ、体臭などの症状が現れる皮膚疾患です。
尿路結石症(ストラバイト結晶症)
尿路である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに結石や結晶ができ、尿道につまってしまう疾患です。
関節炎
軟骨のすり減りにより、関節に負担がかかり炎症を起こすのが関節炎です。
糖尿病
猫では中年期以降にかかりやすく、様々な症状・障害を引き起こす慢性疾患です。アメリカン・ショートヘアーは肥満になりやすく、猫の中で糖尿病の好発種として挙げられます。水をたくさん飲む、オシッコの量が多い、食欲は旺盛なのに体重が増えないなどの変化があったら要注意です。体重管理を徹底しましょう。
肥大型心筋症
心臓の筋肉がどんどん厚くなってしまう心臓病が肥大型心筋症です。
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)(PKD)
遺伝性の疾患でアメリカン・ショートヘアーも好発品種といわれています。
腎臓に3個以上の嚢胞(多発性嚢胞腎)が腎臓を圧迫することにより細胞・組織が壊死・減少してしまうことで、最終的に腎不全を起こす恐ろしい疾患です。
アメリカン・ショートヘアーに必要な補償内容
アメリカンショートヘアーは、基本的に健康な猫種ですが、一般的に猫がかかりやすい尿路結石や加齢による心臓病へは注意が必要です。
稀に先天性異常や遺伝性疾患に該当する病気(多発性嚢胞腎)もあります。先天性異常や遺伝性疾患は、ペット保険では補償対象外となる可能性があるため注意しましょう。
尿路結石症で「入院4日間、通院5日間、手術1回」が必要になった場合
傷病別の必要な補償内容
皮膚の病気
アメリカンショートヘアーのかかりやすい病の一つは、脂漏性皮膚炎などの皮膚炎です。撫でると、被毛が脂っぽくなってベタついたり、反対にかさつきやフケがでることもあります。ブラッシングをこまめにしていれば早期に発見可能です。一般的に動物病院では被毛や皮膚のケアと同時に治療が行われます。
かゆみが強くただれなど皮膚炎症の強い猫には抗炎症剤が出され、アレルギーが認められたら原因物質の除去を行います。真菌や細菌の疑いがあるなら抗真菌剤や抗生物質による治療がなされます。
皮膚炎の治療は、通院治療が中心となり、よほど重篤な状態でない場合を除き入院は不要です。手術も念頭に置く必要もないため、通院を中心とした保険選びになります。
尿路結石症
尿路結石症は、尿路である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかにマグネシウムやリン、カルシウムなどの結石や結晶ができ、尿道につまってしまう疾患です。猫種を問わず多く見られる疾患で、アメリカン・ショートヘアにも多く見られます。
発症すると、排尿の回数が増える、排尿を我慢できずいつもと違うところで排尿をする、腹部を触ると痛がる、血尿が出る、排尿の姿勢をとるが排尿ができないなどの症状が出ます。
軽度の場合は食事療法と通院での尿検査での経過観察となりますが、改善がなければ入院・手術が必要となります。尿路結石症への備えとしては、通院・入院・手術のフルカバータイプがおすすめです。
心臓疾患
アメリカンショートヘアーは先天的な心疾患をもっている猫種ではありませんが、肥満・加齢によって肥大型心筋症などの心疾患になるケースが多いです。
肥満・加齢は糖尿病や関節炎などの原因にもなりますが、最も大きな病気が心臓疾患です。
肥大型心筋症は、無症状のことが多く、定期検診などをしていないと気づくことが難しい病気です。一度罹患してしまうと、完治は難しく、長期間の通院、ケースによっては入院・手術も必要になりますので、限度日数や限度回数のないペット保険が良いと言えます。
アメリカン・ショートヘアーのペット保険の選び方のポイント
肥満にならないような体重管理ができれば、基本的には健康なアメリカンショートヘアーですが、ペット保険選びにおいては、飼い主さんのライフスタイルや経済力にあったものを選ぶことが大切です。
すべての補償を重視
皮膚炎や尿石症や万が一の心臓疾患などの重篤な病気に備える場合は、通院・入院・手術に大きな補償で対応するプラチナプランがおすすめです。
プラチナプランについてはこちらをご覧ください。
通院などの少額補償を重視
頻度の低い高額診療は愛猫のための貯金などで備え、比較的罹患しやすい皮膚炎や尿路結石症の備えとして通院補償のみの保険でもよいと言えます。その場合はゴールドプランがおすすめです。
ゴールドプランについてはこちらをご覧ください。
手術に特化した補償を重視
低額な通院費用への補償は不要とお考えで、健康でも高額診療費が発生する異物誤飲の手術や万が一の大きな病気での手術に備えたい場合は、手術特化型のパールプランがおすすめです。パールプランは手術のみを補償対象としているため、保険料を抑えられます。
パールプランについてはこちらをご覧ください。
年齢ごとの病気・ケガの注意点まとめ
子猫(0-1歳)
幼年期のアメリカン・ショートヘアーは、非常に好奇心旺盛です。体の強い猫種で病気・ケガはあまりありませんが、子猫の時は特に、身近なものを異物誤飲・誤食してしまうことがあり、注意が必要です。
誤飲・誤食以外では、稀に遺伝性疾患の多発性嚢胞腎が発症します。
発症するのは、幼年期~2歳にかけてと言われており、ワクチンなどの際には合わせて定期検診などで確認しておくと早期発見・早期治療につながります。
成猫(1歳- 6歳)
成猫期の健康管理で気をつけなくてはならないのは、食事・体重管理です。特に太りやすくなるのは避妊手術・去勢手術後からです。
体重の管理を怠り肥満になると、様々な疾患にかかり、その後の寿命にも関わります。
糖尿病・心臓病にかかりやすくなりそこから様々な病気を引き起こしますので、無駄に甘やかさず、きちんとした食事・体重管理をしましょう。
老猫(7歳以降)
アメリカン・ショートヘアーは、老年期になると、他の猫種同様に心臓疾患・関節炎になるリスクが高くなります。
他の猫種と比べても肥満傾向のあるアメリカン・ショートヘアーは、太らせてしまうと心臓病・関節炎の罹患する可能性が高まりますので、日頃からの予防が必要になります。