犬の噛み癖の直し方 原因やしつけのポイントを詳しく解説
犬の噛み癖が気になる場合は、噛み癖の原因を特定し、子犬のうちから適切なしつけを行うことが大切です。噛むという行為は犬の本能からくるものですが、噛み癖を放置すると、人を傷つけて大きな怪我につながるリスクがあります。今回は、犬の噛み癖の原因や直し方、しつけのポイントなどを解説します。しつけの失敗例も紹介しているため、愛犬の噛み癖に悩んでいる方は必見です。
犬は本来「噛む生き物」
愛犬の噛み癖で悩んでいる場合は、噛み癖をやめるようしつけをしなければなりません。
噛み癖をそのままにすると、家具を壊してしまったり、家族に怪我をさせたりする可能性があります。散歩中にほかの人を噛んでしまい、トラブルに発展するリスクもあるため注意が必要です。
噛み癖に対処するにあたって飼い主が理解しておかなければならないのは、犬は本来噛む生き物ということです。何かを噛みたいという気持ちは、犬の本能的なものです。
そのため、噛む癖を完全になくすことは難しいでしょう。しかし、しつけによって噛み癖を減らしたり、飼い主が注意したら噛み癖をやめさせたりすることは可能です。噛み癖をなるべく減らせるよう、愛犬と向き合う必要があります。
愛犬の噛み癖の理由
噛み癖をやめさせるためには、なぜ噛むのか理由を理解することが大切です。
ここでは、愛犬の噛み癖の理由として考えられる5つの理由を紹介します。
- 本能的な防衛や攻撃
- 歯の違和感
- ストレスや恐怖心
- 甘えている/興奮している
- 間違ったしつけで覚えている
本能的な防衛や攻撃
1つ目は、本能的な防衛や攻撃のためです。
犬は、誰かから攻撃されたと感じると、身を守ろうと本能的に噛もうとします。犬が寝ている時にいきなり触った時や、おもちゃをとろうとした時などに、犬が身を守ろうとして噛むことがあります。
噛むだけではなく、状態を低くして歯を剥き出しにしながら唸っている場合は、このケースである可能性が高いです。
防衛・攻撃のための噛み癖は、本能的なものであるため直すのが難しい傾向にあります。どうしても気になる場合は、獣医師やトレーナーに相談してみましょう。
歯の違和感
子犬の噛み癖は、歯の違和感が原因の可能性もあります。
犬は、生後1か月ほどから乳歯が生え始め、半年ほどで永久歯に生え変わります。生え変わりのタイミングで、歯茎が痒くなったり歯に違和感を感じたりする場合が多いです。その際に、痒みや違和感を解消しようとして、何かを噛むことがあります。
歯の違和感がなくなって噛み癖が直ることもありますが、成犬になっても噛み癖が残ってしまうケースも少なくありません。
ストレスや恐怖心
ストレスや恐怖心から噛んでしまうケースもあります。
歯磨きやブラッシングなど、特定の行為をしようとすると噛まれる場合は、その行為へのストレスや恐怖心が原因と考えられます。過去のトラウマから噛んでいる、あるいは「噛んだらやめてもらえた」と間違って学習しているのかもしれません。
生活環境の変化や運動不足などにストレスを感じ、噛み癖が目立つようになることもあります。突然噛み癖が見られるようになった場合は、ストレス要因がないか探してみましょう。
甘えている/興奮している
飼い主に甘えていたり、興奮していたりする際に噛んでしまうこともあります。いわゆる甘噛みです。
本来は、親犬と触れ合う中で噛む加減を学習します。早期に人間のもとで育てられた犬は、甘噛みの加減を学習できないまま育ってしまうことが多いです。
子犬の頃からしつけを行い、甘噛みをやめさせる必要があります。
間違ったしつけで覚えている
間違ったしつけで噛み癖が悪化することも少なくありません。
たとえば、甘噛みを放置すると「噛めば遊んでもらえる」と間違って学習してしまい、甘噛みを繰り返すようになる場合があります。
また、何かをやめさせようとして叩いたりマズルを掴んだりした結果、飼い主への恐怖心から噛み癖がひどくなることもあります。
愛犬の噛み癖の直し方
ここでは、愛犬の噛み癖の直し方を3つ紹介します。
- 根本の問題を探り、解消する
- おもちゃで噛む欲求を満たしてあげる
- リアクションをして癖をなくさせる
根本の問題を探り、解消する
まずは、愛犬の噛み癖の原因を探り、解消することが必要です。たとえば、ストレスが原因で噛んでいる場合、いくらしつけを行っても、ストレスの原因を取り除かなければ噛み癖を直すことは難しいでしょう。
愛犬の様子をチェックし、噛んでしまう原因を探ることが大切です。原因と思われる要素を取り除いたり遠ざけたりして、再び愛犬の行動を観察し、原因を特定しましょう。
おもちゃで噛む欲求を満たしてあげる
本能的な噛む欲求を発散させるためには、おもちゃを使いましょう。
骨の形をしたおもちゃや噛んで引っ張るロープ型のもの、噛んでおやつを出すおやつ内蔵型など、噛むおもちゃにはさまざまな種類があります。犬が飽きないよう、音や香りがついたおもちゃも登場しています。おもちゃで遊ぶ時間を増やし、噛む欲求を満たしてあげましょう。
噛む用のおもちゃを選ぶ際は、噛んでも壊れないよう耐久性をチェックしましょう。おもちゃが壊れてしまうと、誤飲や誤食につながるため注意が必要です。
リアクションをして癖をなくさせる
噛むたびに愛犬にとって嫌なリアクションをして、噛み癖をなくさせることも効果的です。
具体的には、噛まれる度に部屋から出て行ったり、少しの間無視をしたりするとよいでしょう。これを繰り返すことで、「噛むと飼い主がいなくなる」「構ってもらえなくなる」と学習し、噛み癖が直る可能性が高いです。
この時、愛犬を叩く、大声で怒鳴るなどのリアクションはやめましょう。ストレスやトラウマから、噛み癖がより悪化するリスクがあるためです。愛犬に大きなショックを与えてしまわないよう、静かなリアクションをとることが大切です。
犬の噛み癖のしつけで失敗した例
犬の噛み癖を直すしつけは、やり方を間違えると噛み癖の悪化につながるため注意が必要です。
ここでは、しつけの失敗例を2つ紹介します。
噛んだ時に大声で怒鳴る/叩く
噛んだ時に大声で怒鳴ったり叩いたりするのはNGです。「怖い思いをした」という恐怖心やトラウマが植え付けられ、身を守ろうとして噛み癖が悪化する可能性が高いです。飼い主のことを信頼できなくなり、その後のしつけがすべてうまくいかなくなるリスクもあります。
感情任せに叱ったり体罰を与えたりするのではなく、冷静にしつけを行うことが大切です。
また、注意する際に愛犬の名前を呼ぶのは控えましょう。「名前を呼ばれたら嫌なことが起こる」と学習してしまうと、呼び戻しがうまくいかなくなる可能性があるためです。
しつけを途中でやめる
噛み癖をやめさせるしつけを途中でストップするのもやめましょう。愛犬が噛むのをなかなかやめてくれない時、途中で注意することをやめてしまうと、「噛んだら許してもらえた」と勘違いする可能性があります。
愛犬が噛むのをやめるまで根気よく注意し、噛むのをやめたら思いきり褒めてあげましょう。噛み癖を直すためには、「噛まなければいいことが起きる」と学習させることが大切です。
また、家族でやっていいことといけないことのルールを統一し、一貫した態度で愛犬に接するようにしましょう。同じことをしているのに飼い主の対応が異なる場合、愛犬が混乱してしまうためです。噛み癖を直す際は、「噛んだら必ず注意してやめさせる」というルールを統一し、家族で共有しましょう。
犬の噛み癖を直す際のコツ
犬の噛み癖を直すコツは、子犬のうちからしつけることです。
犬は、生後3〜14週間で「社会化期」を迎えます。社会化期は、環境変化や刺激に順応しやすく、しつけをしやすい時期です。この時期に噛み癖を直すしつけを行うことで、「噛んではいけない」ということをスムーズに理解してくれるでしょう。
社会化期を過ぎた後は、環境変化や刺激に慣れるまでに時間がかかるようになります。そのため、成犬になってから噛み癖を直すのは容易ではありません。
子犬のうちから甘噛みをやめさせ、「そもそも人を噛んではいけない」ということを覚えさせましょう。
愛犬のもしもに備えるならペット保険も検討を
愛犬のもしもの怪我や病気のリスクに備えるためには、ペット保険の加入を検討しましょう。
ペットには人間のような公的な医療保険制度がないため、医療費は飼い主が全額負担しなければなりません。ペット保険に加入することで、万が一の事態が起きても安心して対応できます。
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まとめ
犬の噛み癖を直すためには、まずは噛み癖の原因を特定する必要があります。噛み癖の原因は、本能、ストレス、歯の違和感などさまざまです。甘噛みの加減がわからず強く噛んでしまっている場合や、間違ったしつけが原因の場合もあり、原因に応じて対処法は大きく異なります。
噛み癖の原因を特定して取り除き、適切なしつけを行いましょう。しつけの際は、愛犬と信頼関係を構築することを重視し、一貫性のある態度で接することが大切です。