しっぽの動きから分かる猫の気持ちとは?猫の種類や性格も解説!
猫のしっぽは、体の中でも特に個性が現れるパーツです。長いしっぽや短くて丸いしっぽ、太くてフサフサしたしっぽなど、猫によってしっぽの様子は大きく異なります。
猫は器用にしっぽを動かし、感情を表現することがあります。しっぽの動きごとにどのような気持ちであるかを理解し、愛猫とのコミュニケーションに役立てましょう。
今回は、猫のしっぽが持つ役割や、しっぽの動き別の気持ち、しっぽを触る際の注意点などを解説します。
- 猫のしっぽにはどんな役割がある?
- しっぽが短い・ない猫の種類と特徴
- しっぽが長い猫の種類と特徴
- しっぽが太い猫の種類
- 猫の気持ちをしっぽの動き別に紹介
- 猫はしっぽを触ると喜ぶの?
- 猫はしっぽの付け根を触ると喜ぶ?
- 猫のしっぽの扱い方と注意点
- 愛猫としっぽ以外でコミュニケーションをとる方法
- 愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう
- まとめ
猫のしっぽにはどんな役割がある?
猫は、しっぽを器用に動かせます。しっぽは、尾椎といういくつもの小さな骨と筋肉で構成されており、先端まで神経が通っています。そのため、しっぽを細かく動かすことが可能です。
ペットのしっぽといえば、気持ちを表している、というイメージがあるでしょう。たとえば、犬は嬉しい時にしっぽをぶんぶんと振ります。
猫のしっぽにも、もちろん感情を表現する役割があります。それだけでなく、以下のようにさまざまな役割も果たしているのが特徴です。
- 身体のバランスをとる
- 身体を温める
- においでマーキングする
猫は、狭いところや高いところも難なく歩ける動物です。その際、しっぽを左右に動かしていることがわかるでしょう。人間が平均台の上を歩くときに、両手を使ってバランスをとるように、猫はしっぽを使って身体のバランスをとっているのです。
さらに、身体を温める防寒具としても、猫はしっぽを利用します。寒い日に、しっぽで顔を覆っているのを見たことがある方は多いでしょう。しっぽをマフラーのように使い、身体を温めています。
マーキングにも利用されます。猫のしっぽには臭腺という器官があり、しっぽを擦りつけることで、自分のにおいを残してテリトリーをアピールします。
しっぽが短い・ない猫の種類と特徴
しっぽの長さや太さは、猫種によって大きく異なります。同じ猫種でも差があり、個性が現れるパーツです。
しっぽの尾椎が少なかったり、骨同士がくっついたりすると、しっぽが短くなります。しっぽが短い猫種の代表例は、「ジャパニーズ・ボブテイル」や「アメリカン・ボブテイル」です。
日本では、古くからしっぽの短い猫が好まれていました。しっぽが長い猫は、やがて化け猫になるという言い伝えがあったため、しっぽが短い猫やかぎしっぽを持つ猫が好まれていたのです。
しかし、猫にとっては長いしっぽのほうが有利であり、世界的に見ると、しっぽが短い猫は希少でした。日本でしっぽが短い猫が大切に育てられていたため、定着したとされています。1960年代後半には、しっぽの短い猫がアメリカに送られ、交配された結果ジャパニーズ・ボブテイルが誕生しました。
猫の中には、しっぽがない個体もいます。「マンクス」には、しっぽがなく、丸くて大きなお尻を持つ個体が存在します。マンクスの中でもしっぽがない猫のことを「ランピー」と呼び、突然変異で生まれたと考えられています。前足より後ろ足のほうが長く、その姿から「ラビットキャット」とも呼ばれます。
しっぽが長い猫の種類と特徴
しっぽが長い猫種の代表例は、以下のとおりです。
- ベンガル
- シャム
- アビシニアン
- ノルウェージャン・フォレスト・キャット
- シンガプーラ
海外の猫種を中心に、数多く存在します。
しっぽが長い猫には、以下のような特徴があります。
- 好奇心旺盛な傾向にある
- 感情表現が豊かでわかりやすい場合が多い
海外生まれの品種は、もともと室内で飼育されていたため、警戒心が比較的薄く、好奇心旺盛な場合が多いです。
また、しっぽが長いと動きがわかりやすいため、感情が読み取りやすいという特徴もあります。
ちなみに、「世界一しっぽの長い猫」としてギネス記録に登録されているのが、44.66cmのしっぽを持つメインクーンのシグナスちゃんです。千円札を横に3枚並べた長さが45cmであるため、かなり長いことがわかります。
しっぽが太い猫の種類
長さだけでなく、太さも猫によってさまざまです。正確には、骨が太いというわけではなく、被毛が豊富であるためしっぽが太く見えます。
しっぽが太く見える猫種の例は、以下のとおりです。
- ペルシャ
- メインクーン
- ヒマラヤン
- ノルウェージャン・フォレスト・キャット
- ラグドール
- ターキッシュ・アンゴラ
- ソマリ
- アメリカン・カール
特に、メインクーンはその太いしっぽから、「アライグマとの交配種である」と考えられていました。
いずれの猫種も、ふわふわしたボリューミーな被毛が魅力です。
猫の気持ちをしっぽの動き別に紹介
猫は言葉を喋れませんが、しっぽの動きを見れば気持ちがわかることがあります。ここでは、猫の気持ちをしっぽの動き別に紹介します。
しっぽをまっすぐ上に立てる
しっぽをピンとまっすぐ上に立てているのは、嬉しい気持ちのサインです。ご飯がほしい時も、しっぽを上に立てることがあります。しっぽを立てた状態で寄ってきたら、構ったり遊んであげたりしましょう。
しっぽが下がっている
しっぽがだらりと下がっているのは、元気がないときや、怒られて落ち込んでいるときのサインです。しっぽが下がっているだけでなく、全体的に元気がなさそうなそぶりを見せている場合は、病気の可能性もあります。体調を観察し、異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
しっぽを左右にゆっくりと振る
しっぽを左右にゆっくりと振っているのは、リラックスしてゆっくりしているサインです。機嫌がよく、安心しています。構いすぎると邪魔してしまうため、適度な距離感で接しましょう。
名前を呼んだ際にしっぽをゆっくり動かす場合は、わざわざ行くほどではないが、飼い主が気になっている合図です。
しっぽを左右に激しく振る
一方、しっぽを左右にブンブンと激しく振っている場合は、怒っていたり、イライラしたりしているサインです。犬とは異なるため、注意しましょう。落ち着くまでそっとしておくことが大切です。
座った状態でしっぽをゆっくり上下に振る
座った状態で、しっぽをゆっくり上下に動かしている場合は、考えごとをしています。次の行動についてじっくり考えているため、邪魔せずにそっとしておきましょう。
しっぽをくねくねさせている
しっぽをくねくねと動かしているのは、ワクワクしているサインです。飼い主に遊んでもらいたいときに、しっぽをくねらせながら近づくことが多いです。
しっぽが膨らんでいる
しっぽが膨らんでいる場合は、毛を逆立てて威嚇しています。自分の身体を大きく見せるために、身体中の毛を逆立てているのです。威嚇対象が危険なものでない場合は、落ち着くまで見守りましょう。
ほかにも、びっくりしたときや怖がっているときに、しっぽが膨らむことがあります。
座ってしっぽを体に巻きつけている
座った状態でしっぽを体に巻きつけているのは、リラックスしてのんびりしているサインです。構いすぎることなく、そっとしておきましょう。
しっぽを立てて震わせている
しっぽを立てて震わせているのは、嬉しい気持ちや興奮している気持ちのサインです。病気というわけではないため、安心してください。
飼い主に構ってもらいたいときに、しっぽを小刻みに震わせながら近づいてくることが多いです。
しっぽを後ろ足の間に隠している
しっぽを後ろ足の間に巻き込んで隠しているときは、怖がっているサインです。身体をなるべく小さくし、守ろうとしています。
しっぽを曲げて振る
しっぽを途中で曲げて、山のような形のまま振っているのは、戦う前の警戒している状態です。近づくな、というサインでもあるため、落ち着くまで距離を置くことが大切です。
しっぽの先端がピクピクしている
しっぽの先端だけがピクピクしている場合は、集中している場合が多いです。神経を集中させて考えごとをしています。こちらも、邪魔せずそっとしておきましょう。
寝ながらしっぽの先を小さく振る
猫が寝ているときに名前を呼ぶと、寝たまましっぽの先だけを小さく振り、面倒くさそうに返事をすることがあります。飼い主から呼ばれたことには気づいているものの、起き上がるのが面倒なときに、とりあえずしっぽで返事をするようです。
抱っこしたときにしっぽをお腹につける
抱っこしたときに、しっぽをお腹につけている場合は、怖がっている証拠です。抱っこされるとお腹が丸見えになります。お腹は弱点であるため、しっぽを使って守ろうとしているのです。
抱っこしたときにしっぽをブンブンと振る
抱っこしたときにしっぽをブンブンと激しく振る場合は、抱っこを嫌がっています。猫の中には抱っこを嫌がる子も多く、しつこく抱っこし続けると嫌われてしまいます。
抱っこしたときにしっぽをゆっくりと振る
一方、抱っこしたときにしっぽをゆっくり振る場合は、抱っこを喜んでいます。飼い主に抱っこされて安心し、リラックスしているサインでもあります。
猫はしっぽを触ると喜ぶの?
猫のしっぽには神経が通っており、非常にデリケートな場所です。しっぽを触るのを嫌がる子も多く、痛がっているのに触り続けると、ストレスになってしまいます。
かわいらしいパーツですが、むやみに触るのはやめましょう。
猫はしっぽの付け根を触ると喜ぶ?
一方、しっぽの付け根を優しく触ると、喜んで気持ちよさそうにする猫も多いです。付け根にはたくさんの神経が集まっており、適度な刺激を心地よく感じていると考えられています。また、付け根にフェロモンを出す分泌腺があり、触られて喜んでいる場合もあります。
付け根を触って腰を上げているときは、「もっと触って」という合図です。ただし、デリケートな部分であるため、強い力で触らないようにしましょう。
また、すべての猫が喜ぶわけではありません。はじめは喜んでいても、触りすぎると腰を下げて嫌がることがあります。猫が嫌がるそぶりを見せたら、すぐに触るのをやめましょう。
猫のしっぽの扱い方と注意点
猫のしっぽには尾骨神経が通っており、重要な神経とつながっています。猫のしっぽを強く触る、引っ張る、踏むなどの行動は絶対にやめましょう。猫が嫌がるだけでなく、神経が傷ついて歩けなくなってしまう場合もあります。
しっぽの扱いには細心の注意を払いましょう。誤って強く踏んでしまった場合は、念のため動物病院を受診してください。
愛猫としっぽ以外でコミュニケーションをとる方法
猫の気持ちを知りたいときは、しっぽ以外のパーツにも注目しましょう。
<目>
気分がよくリラックスしているときは、半目のままくつろぎます。瞳孔が縦に細く開いているときも、同じくリラックスしている合図です。一方、瞳孔が大きく開いている場合は、興奮していたり、緊張していたりします。
目を合わせたときに瞬きしたり、目をそらしたりする際は、飼い主に敵意がないことのサインです。
<耳>
耳を伏せているときは、恐怖を感じているサインです。また、耳を後ろに反らせる「イカ耳」の状態のときは、かなり怒っていることがわかります。攻撃されることもあるため、刺激しないようにしましょう。
<ひげ>
ひげを前に反らせているときは、近くに気になるものがあることのサインです。猫のひげはアンテナのような役割を果たしており、ヒゲを使って情報を調べようとしています。
一方、ひげを後ろに向けている場合は、身の危険を感じて防御しようとしています。
愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう
愛猫が病気や怪我をしてしまう事態に備えるためには、ペット保険への加入がおすすめです。
ペットには、人間のような公的保険制度がないため、医療費は全額飼い主の自己負担となります。1回の治療で多額の費用がかかることもあり、経済的な理由から、希望の治療を行えない可能性もあるでしょう。
万が一の事態に備えて、ペット保険に加入するのがおすすめです。
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まとめ
猫のしっぽの動きからは、気持ちを読み取れます。猫はしゃべれませんが、しっぽを動かすことで飼い主に気持ちを届けているのでしょう。しっぽの動きごとの気持ちを理解して、愛猫とのスムーズなコミュニケーションに役立ててください。
しっぽはデリケートなパーツであるため、むやみに触ったり、傷つけたりしないようにしましょう。万が一しっぽを強く踏んでしまった場合は、すみやかに動物病院を受診してください。
しっぽ以外にも、愛猫の気持ちを読み取れるパーツは存在します。日頃からよく観察して、信頼関係を築いてください。