猫の抜け毛対策のおすすめ5選 掃除のコツも紹介│猫の保険
猫には換毛期があるため、毛が抜けることは珍しくありません。しかし、あまりにも抜け毛が多い場合は、栄養不足や病気、ストレスなどが疑われます。抜け毛が気になる場合は、原因を理解することが大切です。
今回は、猫の抜け毛が多い理由や効果的な抜け毛対策5選を紹介します。抜け毛を掃除するコツも紹介しているため、愛猫の抜け毛に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
猫の抜け毛が多い理由は?
猫の抜け毛が多い理由としては、以下が挙げられます。
- 換毛期
- 栄養不足
- 病気
- ストレス
- 老化
それぞれ見ていきましょう。
換毛期だから
1年のうち特定の時期に抜け毛が目立つ場合は、換毛期が理由である可能性が高いです。
換毛期とは、季節の変化に順応できるよう、季節の変わり目に被毛が生え変わる時期のことです。
猫の場合、春と秋に換毛期を迎えるのが通常です。この時期には古い毛が大量に抜け落ち、春には密度が少ない夏毛が、秋には密度が高く防寒性に優れた冬毛が生えてきます。
ただし、換毛期の有無や抜け毛の量は、品種や個体によって差があります。シングルコートの場合、明確な換毛期がなく徐々に生え変わっていくことも多いです。
ダブルコートは抜け毛が多い
猫の中でも、ダブルコートの品種は抜け毛が多いため、こまめなお手入れや抜け毛対策が欠かせません。
ダブルコートとは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2種類の被毛が生えている猫のことです。アメリカンショートヘアやスコティッシュフォールド、ノルウェージャンフォレストキャット、ラグドール、ペルシャなどが挙げられます。ダブルコートにはアンダーコートが密度高く生えているため、どうしても抜け毛が目立ちます。
栄養不足によるもの
抜け毛が急に目立つようになった場合、何らかの異変が起きている可能性があります。
その1つが栄養不足による脱毛です。猫が被毛や皮膚を健康に保つためには、タンパク質やビタミンA、ビタミンBなどの栄養が必要です。ご飯から十分に栄養が摂取できていない場合は、健康的な被毛を生成するのが難しくなり、抜けてしまうことがあります。
栄養不足はほかの病気の原因にもなるため、フードの見直しが欠かせません。
病気による脱毛
アレルギーや感染症などの病気によって脱毛が見られる場合もあります。ここでは、脱毛を引き起こす病気について見ていきましょう。
- ノミアレルギー
- 食物アレルギーや環境アレルギー
- 皮膚糸状菌症
- 疥癬
- 猫ニキビ(猫ざそう)
ノミアレルギー
ノミアレルギーは、猫にノミ(主にネコノミ)が寄生することで起こるアレルギー症状です。寄生したノミが猫の皮膚を噛んだ際、ノミの唾液がアレルゲンとなってアレルギー症状を引き起こします。特に、屋外で暮らす猫に多く見られるのが特徴です。
ノミアレルギーになると、強いかゆみが生じます。かゆさから体を掻きむしったり過度に舐めたりするため、脱毛につながります。
ノミアレルギーが疑われる場合は、すぐに動物病院を受診し、早急にノミを取り除くことが大切です。
食物アレルギーや環境アレルギー
食物アレルギーや環境アレルギーが原因で、脱毛を引き起こしていることもあります。
食物アレルギーの場合は、乳製品や穀物類、キャットフードに含まれる添加物などが原因でアレルギーを発症することが多いようです。
また、植物やハウスダストが原因でアレルギーを引き起こすこともあります。
アレルゲンは個体によってさまざまであるため、動物病院でアレルギー検査を行うことが必要です。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、カビの仲間である糸状菌が皮膚に感染することで発症する感染症です。免疫力が低下している猫に多く見られ、発疹や円形脱毛といった症状が現れます。毛がまとまって抜け落ちている場合は、皮膚糸状菌症の可能性を疑いましょう。
人畜共通感染症であり、猫から人間に感染することもあるため注意が必要です。
疥癬
疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニが皮膚に寄生することで発症する皮膚炎です。皮膚にトンネルを作って寄生し、強いかゆみを引き起こすのが特徴です。体をかきむしってしまうことで、脱毛や出血、化膿などの症状が見られます。
猫の疥癬は、耳から頭や顔に広がっていくケースが多いです。耳の根元や顔のふちなどにかさぶたや脱毛が見られる場合は、疥癬の可能性が高いでしょう。
ヒゼンダニは非常に感染力が強く、同居しているほかの猫や人間にも感染するため注意が必要です。
猫ニキビ(猫ざそう)
猫ニキビ(猫ざそう)とは、顎や口周りにニキビのような炎症が起きる病気です。
皮脂腺からの分泌物が詰まることで発症するケースが多く見られます。ほかにも、食事中に食器から雑菌がつくことや、ストレスやアレルギーなどが原因となることもあります。
猫ニキビ(猫ざそう)が進行すると、毛が抜けて赤い斑点が見られます。かゆみや違和感によって皮膚をかきむしり、出血してしまうこともあります。重度になると、ただれや膿みなどを引き起こすため、早期の治療や自宅での適切なケアが欠かせません。
ストレス
ストレスによりグルーミング(毛づくろい)の回数が増えて、抜け毛が増えてしまうこともあります。
グルーミングには、精神を落ち着かせる効果もあります。そのため、猫が緊張や不安、ストレスを感じた際に、何度もグルーミングをしてしまうことが少なくありません。
猫の舌はザラザラしているため、過度なグルーミングをすることで脱毛や出血を引き起こします。
グルーミングの回数や時間が異常に増えた場合は、何らかのストレスを抱えているのかもしれません。思い当たる節はないか振り返り、生活環境を見直しましょう。
老化の影響
老化によって抜け毛が増える場合もあります。老化による自然な変化であれば問題はありませんが、栄養不足やストレス、ほかの病気などが隠れている可能性も否定できません。
また、高齢になるとグルーミングをする回数が減るため、毛玉ができやすくなってしまいます。
気になる場合は、獣医師に相談しましょう。
効果的な猫の抜け毛対策5選
ここでは、効果的な猫の抜け毛対策を5つ紹介します。
- ブラッシングを行う
- シャンプーをする
- コロコロを使う
- サマーカットをする
- 毛玉除去剤を使う
ブラッシングを行う
抜け毛を取り除くためには、こまめなブラッシングが欠かせません。抜け毛対策になることはもちろん、スキンシップをとったり体調を観察したりするための貴重な時間となります。
ブラッシングは、以下の頻度で行うのがおすすめです。
- 短毛種:週に2〜3回/換毛期は1日1回
- 長毛種:1日1回/換毛期は1日2回
使う道具も、短毛種と長毛種で違いがあります。短毛種にはラバーブラシやコーム、長毛種にはスリッカーブラシやピンブラシ、コームを使いましょう。
ブラッシングの際は、皮膚を傷つけないよう優しくとかすことが大切です。耳の後ろや脇、足、尻尾の付け根は特に毛玉ができやすいため、丁寧にブラッシングして毛をほぐしましょう。
シャンプーをする
抜け毛を取り除けるよう、換毛期にはシャンプーをするのも1つの選択肢です。正しい槍か方でシャンプーをすることで、皮膚を清潔に保つ効果も期待できます。
シャンプーは、以下の頻度で行うのが目安です。
- 短毛種:1年に2回(換毛期)
- 長毛種:月に1回
シャンプーをやりすぎには注意が必要です。皮膚のバリア機能が低下したり、pHバランスが崩れたりする恐れがあります。また、被毛をよく乾かさないまま放置してしまうと、雑菌が繁殖して皮膚炎を引き起こしたりします。シャンプーは上記の頻度に抑え、シャンプー後は素早く乾燥させましょう。
なお、シャンプーを嫌がる場合は無理にシャンプーをさせる必要はありません。体を掃除したい場合は、猫用のシャンプーシートや固く絞ったタオルで拭くだけでも効果的です。
コロコロを使う
ブラッシングをする時間がない場合は、コロコロを使うという方法もあります。粘着力が弱いコロコロを優しくかけることで、オーバーコートを取り除けます。マッサージされているような感覚に夢中になる猫も少なくありません。
しかし、コロコロは本来猫に使用するものではありません。猫がコロコロをかけられるのを好む場合のみ使用しましょう。
また、粘着力が強いものは皮膚を傷つけてしまう可能性があるため、極力粘着力が弱いものを選んでください。
綺麗なコロコロを使うことも大切です。すでに掃除に使用したシートを猫の体に当ててしまうと、毛づくろいの際にゴミを口に入れてしまうことがあります。まだ使っていない綺麗なシートを使いましょう。
なお、コロコロではオーバーコートしか取り除けないため、ブラッシングの代わりにはなりません。ブラッシングの補助として、猫が嫌がらない場合のみ使用するようにしましょう。
サマーカットをする
抜け毛が多くてお手入れに苦労している場合や、長毛種で皮膚の蒸れが気になる場合などは、サマーカットをするのも1つの方法です。
サマーカットとは、バリカンを使って被毛を本来の長さよりも短く刈り込んだカットスタイルです。抜け毛を減らせることはもちろん、夏場の暑さ対策や皮膚炎の予防にもつながります。
ただし、猫のサマーカットには以下のようなデメリットもあります。
- 猫にストレスがかかる可能性がある
- 皮膚が傷つくリスクがある
- 皮膚に直射日光が当たり、日光性皮膚炎になるリスクがある
サマーカットにするべきか否かは、獣医師やトリミングサロンに相談して慎重に検討しましょう。
また、冬場に毛が生えそろうよう、カットの時期を調整することも大切です。
毛玉除去剤を使う
抜け毛が多く毛玉を多く飲み込んでしまっている場合は、毛玉除去剤の使用を検討してみてもよいでしょう。
毛玉除去剤とは、体内に溜まった毛玉を溶かして便と一緒に排出させるサプリメントです。
抜け毛が多い場合、毛づくろいの際に多くの毛を飲み込んでしまい、消化管に毛玉が溜まりやすくなってしまいます。毛玉の排出がうまくいかないと、胃や腸の中で膨らんで毛球症を引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。
毛玉除去剤を使用することで、毛玉の排出を促せます。気になる方は動物病院で相談してみるのがおすすめです。
猫の抜け毛を掃除するコツ
猫の被毛は細いため、抜け毛を取り除くのに苦労することがあります。ここでは、抜け毛を掃除するためのコツを3つ紹介します。
- 掃除機の前に霧吹きをかける
- ゴム手袋で毛を集める
- 空気清浄機をかける
掃除機の前に霧吹きをかける
掃除機で毛を吸い取る際は、掃除機をかける前に霧吹きをかけましょう。
猫の毛は軽いため、いきなり掃除機をかけると排気で空気中に舞ってしまいます。
霧吹きをかけることで、毛が水分を含んで重くなり、掃除機で吸い取りやすくなります。
霧吹きは毛に直接かけるのではなく、空中を潤すように何回か吹きかけましょう。
ゴム手袋で毛を集める
カーペットやキャットタワー、洋服などについた毛は、ゴム手袋で簡単に集められます。
ゴム手袋をはめた状態で軽くこすることで、簡単に毛をはがせるのです。
最後に掃除機や粘着クリーナーをかけることで、効率よく綺麗に掃除できます。
空気清浄機をかける
猫の被毛は細く空気中を舞ってしまうため、空気清浄機を活用するのがおすすめです。
空気清浄機をかけることで、空気中の抜け毛を吸ってくれるため、日頃のお掃除が楽になります。洋服につく毛も減らせるでしょう。
空気清浄機を使う場合は、少なくとも週に1回はフィルターをお手入れしましょう。お手入れを放置すると、フィルターが目詰まりを起こしてしまいます。
愛猫のもしもに備えて保険も検討を
愛猫のもしもの事態に備えるためには、ペット保険に加入するのがおすすめです。病気が原因で抜け毛が起こっている場合は、動物病院ですぐに治療する必要があります。ペット保険に加入していれば、安心して治療を受けられるでしょう。
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まとめ
猫の抜け毛が目立つ場合は、まずはその原因を考えましょう。換毛期であれば問題ありませんが、栄養不足やストレス、病気などが原因の可能性もあります。突然抜け毛が増えたと感じた場合や脱毛以外の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。感染症が原因の場合は、ほかのペットや人間にうつってしまう可能性もあるため注意が必要です。
抜け毛をなるべく減らすためには、定期的なブラッシングが欠かせません。被毛や皮膚を清潔に保ち、快適に過ごせるよう、飼い主が責任を持ってお手入れを行いましょう。